貴様に伝えたい
脳内少女のひみこです。
もうすぐ1か月近く経ってしまいますが、昨年12/26にZAZEN BOYSのMATSURI SESSION@渋谷AXに行ってきました!
もうほんと素晴らしかったです。やばかった。最高でした。やばかった。はぁー。最終的に溜息しか出ないくらいすごかったんです。そのことについて書こうと思っていたらKIMOCHIという曲についての想いが止まらなくなったので書き殴りました(長いです)
私はもともと中学生の頃からずっと椎名林檎が好きで、かつてはファンクラブにも入っていました。そのファンクラブサイトの日記等にナンバーガールや向井秀徳の名前が出てきていたので、なんとなくその存在は知っていました。ナンバーガールが解散してザゼンボーイズが新たに結成されたことも。
そして2005年7月、林檎目当てで観た「僕らの音楽」向井秀徳×椎名林檎の回で、殴られたような衝撃を受けました。
二人が向かい合って(観てるこっちが赤面するくらい林檎が照れて)歌っていたKIMOCHIという曲。テレビの音楽番組を観ていて、涙が出そうになったのは初めての体験でした。どうしてこの短い曲にこんなに胸がしめつけられて呻きたくなるんだろう。これまで感じたことのないこの世界観は一体なんだろう。この二人の今にも付き合っちゃいそうなエロい雰囲気はどういうことだろう…
KIMOCHIの後、向井さんが一人で歌った、念仏のような「自問自答」を呆気にとられて聴きながら、向井秀徳って一体何者なんだろう?と思いました。
しかしその後、東京事変が第二期に突入したり、自分のサークル活動が忙しかったりで、ZAZEN BOYS及び向井秀徳について追いかけることは特になく、そのまま5、6年が過ぎていきました。(たった一枚、ナンバーガールのSCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICTだけを高校生の頃に買っていて、それを繰り返し聞いていました)
2011年6月になり、私は脳内少女に加入します。
何回か練習を重ねるうちに、ふと「このバンドの編成だったらKIMOCHIのコピーができるかもしれない…」と思いつきました。
しかし、このバンドに女は私ひとりなので必然的に林檎のパートは私が歌うことになってしまいます。やりたい…でも私なんかが歌うのはおこがまし過ぎる(私は自分の声が好きじゃないのです。地声が低くて声域も狭く、どう考えても歌に向いてない。一日でいいから西野カナさんの声になってみたいです)…でもでも、自分でもあの曲を演奏してみたい…いやふざけんなよお前…でもこの人達だったらやってくれるかも…といった葛藤の末、恥をしのんで「私歌うからやりませんか」とメンバーに提案。すると、案外あっさりと承諾され、脳内少女の練習曲のひとつに加わったのでした。
KIMOCHIをやり始めたのに前後して、メンバーのルーシュがZAZENのアルバム1~4作目までを貸してくれ、もうそっからはZAZENにハマって抜け出せない毎日ですよ。iPodの再生回数トップテンの実に9曲がZAZENです。ちょっと林檎からは離れてしまったこともあって、余計にのめり込んじゃったんでしょうけど。とにかくかっこよくて他に似てるものがなくて変態で何度聴いても飽きることがない。
一人で聴いているだけで満足していたのが、だんだんライブに行ってみたくなり、高校の友達が一緒に行ってくれて、12/26は3回目のMATSURI SESSIONでした。
ライブの興奮醒めやらぬ中、アンコールが始まり、向井さんは「ゲストを呼んでいます」と言いました。誰だろう、前回Jumpを歌いに来たレオ今井さんかな…などと思っていたら、向井さんはサラッと「椎名林檎さんです」と言い放ちました。
さきほど私は自分の声が低いと書きましたが、その瞬間、私の口からは黄色い声が飛び出て(本気出せば出せるのかもしれない)、無意識のうちに前方へと駆け寄っていました。周りの人達もどよめいて驚いていて、会場はちょっとした錯乱状態に陥っていました。
私はちょうど林檎が出てきた下手側にいたので、林檎がよく見えました。今まで何度も林檎や事変のライブに行きましたが、あんなに近くに見えたのは初めてでした。以前ほどの熱は冷めてしまったとはいえ、やっぱり林檎は私にとっていつまでも憧れなんだな…とちょっと感傷的になってしまいました。
アンコール1曲目はバービーボーイズの「女ぎつね on the run」という曲。
ああ、KIMOCHIもやってくんないかな…と思う間もなく、向井さんがPAさんと照明さんに向かって「群馬県前橋市(高崎市だっけ?)あたりのラブホのカラオケみたいなドエロなリバーブとライティングをお願いします」と言い、うわあああああこの前フリはKIMOCHIきたあああああああとライブ終盤にして一番昂ぶりました!!!
一郎さん、柔道二段、カシオメンは端の方でコーラスしてて(多分マイクなしだった?笑 しかも「笹塚満点星」の皆さんですとか紹介されてたw)、向井さんのギター一本で二人で歌い始めました。8年前の「僕らの音楽」の時と同じように。
そこからの時間は目の前に起こっていることをなぞるのに必死で、記憶は空白に近い。でも、恍惚という言葉がぴったりの時間でした。あんなに好きであんなに憧れた曲を、尊敬するあの二人が目の前でやってることが信じられなくて、感激し過ぎて涙も出ませんでした。
気がつくとライブは終わっていて、もうずっとうわごとのように「すごかった」だけしか言ってなくて、左耳は耳鳴りし続け、目は宙をさまよっていました。
去年は誰もクリスマスプレゼントをくれなかったけど笑、1日遅れの最っ高おおおおのクリスマスプレゼントでした…。あれで3800円は安すぎじゃないですか!?渋谷AXの床に土下座したいKIMOCHIになりました。
脳内少女で初めてKIMOCHIを合わせた時のことはもうほとんど忘れてしまいましたが、マイクを前にして、まるでこれから罰ゲームが始まるかのような気分になっていたことはなんとなく覚えています。言いだしっぺのくせに。録音を聴いても私の声はやっぱり「うっわきもw」って感じだったし(今も)。
だけど、メンバーの演奏がすごく格好良いので、いつも楽しい。歌うと緊張するし自分の歌のことで頭がいっぱいになってしまうから、ほんとは黙って彼らの演奏を陰から聞いていたいくらいです。歌詞の世界観はもちろんのこと、バンドでやる曲としてもKIMOCHIは素晴らしいんだということが、練習してわかりました。
少しでも林檎みたいに歌いたいな、なんて初めは思っていたけど、この間のライブを聴いて、それはやめようと思いました(そもそもできないしw)。
無理に似せるのではなく、あの曲を初めて聞いた時に感じたなんとも言えない自分の内面を、私なりに表現したい。でも、それが難しい。歌としての伝達だけじゃなく、人間として生きて星の数ほどいる他人のうじゃうじゃしている世の中を立ち回っていくのは容易なことではなく、どんなに仲の良い友達でも恋人でも自分の気持ちが100%伝わることなんて絶対にありえない。(もしかしたら犬猫畜生もなのかもしれない。)
それでも伝えたいと思う歯がゆさ、いじらしさ、焦燥を、どうにかして伝えたいです。
(ほんとはもうひとつ書きたいことがありましたが、案の定長くなったので、別の機会にしますw)